アレクサンダー教師の生活と意見

アレクサンダー教師「ねこ丸」の生活と意見です。マイペースな更新ですがお付き合いください。

アレクサンダーの本を読む_その2

前回、アレクサンダーの本を読むならやはりアレクサンダー氏自身の本がオススメというお話をしました。

https://nekonekoalex.hatenadiary.com/entry/2019/03/30/093822

 

アレクサンダー・テクニークを論じた本が最近では非常に多く出版されていますが、一冊選ぶとすればやはりアレクサンダー本人の著作、その中でも特に

『自分の使い方』

が最も重要な作品になると個人的には思います。

(ちなみに僕がトレーニングを受けた学校では『自分の使い方』の一章を自分なりに要約して提出することが卒業の課題に含まれていました)

 

『自分の使い方』はアレクサンダー氏が自己観察と自己実験を通じて自分のテクニークを発展させてきた過程が大変細かく一章を費やして書かれており、これをしっかりと精読すれば読者が自分なりに何とかテクニークの学習を一人でも進められるように配慮して書かれています。

 

まさに必携のガイドラインともいうべき本なのですが、アレクサンダー氏の親切な?意図とは裏腹に、この本自体が読むのに厄介ななかなかに難解な著作でもあります。

 

一筋縄ではいかない本なのですが、テクニークを真剣に学ぼうと思う方には是非とも読んでもらいたい一冊ですし、さらに敢えて大胆な提案をするなら可能であれば英語で読んで欲しいのです。

(いくつか日本語訳は出版されているので、辞書がわりに日本語訳を読みながらでも良いと思います)

 

英語で読むべき最大の理由は、彼の論述の重要なポイントのいくつかが日本語という言葉ではどうしても正確に伝わらないと思えるからです。

 

特に決定的なのは「時制」の問題です。

 

アレクサンダー氏は自身のテクニークを説明する上でかなり意図的に「過去」や「現在」という時間の流れに則った記述をしています。

 

テクニークを実際に実験しながら学ぶ上で、時間的な前後関係がとても大切になるからです。

 

ところが、日本語という言語はもともと過去や現在という「時制」の表現にそれほど厳密ではない言葉です(僕は文法の専門家ではありませんから、学問的な話ではなくあくまでも個人の印象である点をお許しください)。

 

これだけが原因ではありませんが、特にこの点によって、日本語で読むとアレクサンダー氏の観察や実験の実際の過程や分析の中身などが英語で読む以上にわかりにくく曖昧になっているという気がするのです。

 

もちろん、最終的には言葉の問題だけでなく読者がどれだけ厳密に書かれていることを精読できているかにもかかっていますが、日本語ではなく英語のテキストを読むことで読み取りやすくなるものがあることは確かだと思います。

 

なかなかのチャレンジかと思いますが、テクニークを本格的に学びたいと思う人、特に教師を目指したい人は一部だけでもアレクサンダー氏の著書の原文にもあたってみることを強くオススメします^_^

 

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